横田研ホームページ 本文へジャンプ
研究テーマ


非接触式生体部位の
粘弾性測定方法の提案
スクラッチ試験による
溶射成膜のAE診断法
 工業材料の硬さ試験には多くの試験方法があり、塑性変形や永久ひずみを発生させて硬さを測定しています。
 しかし現在、臓器や食品等の柔らかいもの(粘弾性)の評価方法は確立されていません。癌の検査は医師の感覚による触診、食品では食感や見た目で判断しているので、高度の技術が必要となります。視覚や触覚による判断がいつも同じ結果になるとは限りません。
 そこで本研究では非接触、非破壊での測定を行っています。この方法は臓器や食品を傷つけることなく衛生的に測定することができます。ここでは柔らかさを数値化し、評価方法を確立するための研究を行っています。
 溶射とは溶融状態に加熱した溶射材料粒子を基材表面に吹き付け皮膜とする表面改質技術の一種である。溶射は自動車、航空機などの様々な分野において、耐熱性、耐摩耗性などの向上のために使用され重要な表面加工技術になっている。しかし、作製された溶射皮膜は半溶融粒子やボイドが現われたり、さらには過酷な状態で使用するため、皮膜と基材の密着性、皮膜自体の割れなどが問題になっている。しかし、その評価方法は十分に確立されていない。

 そこで、本研究では作製した溶射皮膜試験片のスクラッチ試験を行い、発生したAE信号より皮膜の評価可能かどうか検討を行っている。


光センサを用いた半球レンズ
による柔らかさ測定方法
レプリカ法による切削加工面の
形状評価について
 人間の触覚には硬い、柔らかいと感じる神経があり、物を器用に扱うことができます。しかし、硬軟の判断は具体的には理解できず、個々の判断にはばらつきがあります。今日、圧電素子、磁気抵抗素子などの触覚センサが研究されています。その中で、光導波路型触覚センサにおいては、ピラミッドアレイ状センサや球面状センサが開発されています。しかし、これらのセンサは被測定物が触覚部よりも硬い場合でなければ測定できず、構造も複雑です。
 本研究では、被測定物の硬さに係わらず、柔らかさを触覚で捕らえる触覚測定方法の構築を目的に光センサを用いたデバイスを開発し、軟らかさの測定を行っています。

 現在における粗さ測定法を大別すると、比較用表面アラサ標準片による比較測定法、触針による接触式粗さ測定法、光干渉・光切断による非接触式粗さ測定法等があります。
 例えば、比較測定法では熟練技術者に頼るしかなく、個人差により判断基準が異なるので誤差も生じます。
 そこで、本研究では、上記した各粗さ測定法とは異なり、新たな簡易的粗さ測定法の確立を目指し、透明シリコーンを用いて様々な加工面のレプリカを採取し、それにスポット光を透過させ、出射像から加工面の判別を行う実験を行っています。

補修剤のひび割れ注入深さの
測定と装置の開発
生体機能計測機器の
開発と評価
 トンネル、ダム、橋梁、各種建造物などの長年経過したコンクリート建造物においては保守管理、補修、補強、余寿命の推定などが行われています。各種非破壊試験で計測されたコンクリート内の剥離部などの補修・補強には、コンクリート補修剤を注入して構造物の延命を施します。
 本研究では、補修剤の注入深さの測定を測定できる試験方法の確立とその装置の開発を行っています。
 現在、医療現場では、西洋医学、あるいは東洋医学を基にした検査・治療が行われています。そこで、本研究ではそれらに基づいた日常の健康管理を簡易的に計測でき、かつ自分で診断できる血圧・血流・心拍・動脈血酸素飽和度等の計測機器の開発を行っています。しかも、小型で携帯できるセンサの開発と評価を目的としています。

磁性流体を用いた
膝関節用揺動センサの開発
9Cr鋼の高温疲労・クリープ重量条件下でのき裂成長特性と
損傷評価
 従来の磁性流体を用いた変位、速度あるいは加速度は、絶対値あるいは1軸方向のみしかなく、現時点では汎用性は低いとされています。
 本研究では、作動部分が液体であるため疲労や破壊の心配がなく、任意の形状のセンサに得やすいことから磁性流体を媒体とした変位計、速度計また加速度計を製作し、微小変位、振動、速度、加速度計用センサとして利用することが可能かの検討を行っています
 9Cr鋼(12Cr鋼も使用)は火力発電所のボイラ管材で使用される材料です。この研究では9Cr鋼を用いて高温疲労や様々なクリープ条件でのき裂成長試験を行い、試験材料の力学的特性の評価や破面のフラクタル解析による損傷評価を行うテーマです。このテーマは他の研究室と共同研究を行っていて、様々な人々と交流を深めることができます。
生体計測用探り棒の
基本的特性
体内臓器測定用
柔らかさプローブの開発

在、XCTMRIなどに代表される体内を診る医療機器は高価であり、かつ安全性が保障さていないものもある。また皮膚表層や胃壁などを検査する場合、安価で、かつ安全な器具の利用が求められることがある。そこで半球状シリコーンとカメラを使った簡単な生体部位計測用の探り棒を提案し、開発を行う。なお、この原理は滑り落ちる物体を掴みなおすロボットアームの指先のセンサとしても流用できるものと考える。

まず、第一の基礎段階として,透明シリコーン半球レンズを利用した実験装置を作製して、半球レンズが試験片に押し付けられ、引きずられたときの半球シリコーンの変形、荷重点の移動等の基本的特性の確認を荷重や速度を変更しながら行う。

今日の医療現場において臓器の硬さや柔らかさは医師の触診によって判断されることが一般的になっている。これは柔らかさの測定方法や測定機器が確立されていないことが理由の一つとして挙げられる。現在ある硬さの測定機器は比較的硬い被測定物に対して、被測定物よりも硬い圧子を押し付けるなどの方法を用いて測定するのが一般的である。しかしそれでは生体などの柔らかい物質の硬さを測定する際に被測定物を損傷させてしまう恐れなどがあり、計測に適したプローブ(圧子)とは言えない。そこで本研究では、被測定物よりも柔らかい圧子を用いて測定する柔らかさプローブを開発し、柔らかさ・硬さが測定可能か検討を行っている。