現在、X線CTやMRIなどに代表される体内を診る医療機器は高価であり、かつ安全性が保障さていないものもある。また皮膚表層や胃壁などを検査する場合、安価で、かつ安全な器具の利用が求められることがある。そこで半球状シリコーンとカメラを使った簡単な生体部位計測用の探り棒を提案し、開発を行う。なお、この原理は滑り落ちる物体を掴みなおすロボットアームの指先のセンサとしても流用できるものと考える。
まず、第一の基礎段階として,透明シリコーン半球レンズを利用した実験装置を作製して、半球レンズが試験片に押し付けられ、引きずられたときの半球シリコーンの変形、荷重点の移動等の基本的特性の確認を荷重や速度を変更しながら行う。
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今日の医療現場において臓器の硬さや柔らかさは医師の触診によって判断されることが一般的になっている。これは柔らかさの測定方法や測定機器が確立されていないことが理由の一つとして挙げられる。現在ある硬さの測定機器は比較的硬い被測定物に対して、被測定物よりも硬い圧子を押し付けるなどの方法を用いて測定するのが一般的である。しかしそれでは生体などの柔らかい物質の硬さを測定する際に被測定物を損傷させてしまう恐れなどがあり、計測に適したプローブ(圧子)とは言えない。そこで本研究では、被測定物よりも柔らかい圧子を用いて測定する柔らかさプローブを開発し、柔らかさ・硬さが測定可能か検討を行っている。
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